すごいセールスチーム

すごいセールスチームの情報共有や営業のノウハウを共有するやり方を探っています!

個人商店な営業スタイルからチームでの営業に変えて最高売上を更新し続けるピクシブさんを取材しました!

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前回につづき、セールスチームの情報共有のやり方を取材する記事の第2弾です。
今回はピクシブさんです!!

取材に応じて頂いたセールスチームのお二方

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  • ピクシブ株式会社
    メディア事業部 部長
    笠原 達郎 さん

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  • ピクシブ株式会社
    メディア事業部 リーダー アカウントプランナー
    芹澤 勇太 さん

なんでもゲームにして競ってしまうセールスチーム

ピクシブのセールスチームは...、ナント3人 !!

ーー今日はよろしくお願いします!

笠原 芹澤 よろしくお願いします!

ーーまずは、自己紹介をお願いします!

笠原 ピクシブで運営しているメディアの広告管理や、アドネットワークやSSP等の運用管理をメイン業務にしつつ、メディア事業全部の統括もしています。

芹澤 私はそのメディアの純広告やタイアップ記事などをセールスするチームのリーダーを務めています。

ーーでは、早速、営業してらっしゃる商材について伺わせてください。

笠原 私たちメディア事業部は大きく分けると、メディアの純広告やタイアップ広告を扱うセールスチームと、アドネットワークやSSPと呼ばれるプログラマティック広告の運用をするチーム、そして自社アドサーバーの管理・改修を行い新規商材開発や効果向上に努める開発チームの3つに分かれています。

芹澤 私が担当しているセールスチームでは pixiv や pixivision などの純広告やタイアップ広告を扱っています。タイアップ広告では、イラストレーターさんや声優さんに登場してもらって、イラストツールやデバイス等の記事広告を掲載しています。あと、pixiv らしい商品として、イラストコンテストなども扱ったりしています。

pixiv - 広告掲載について

ーーありがとうございます! そういった広告商材の営業はピクシブさんから企画して、提案していくのですか?

笠原 いえ、実はあまりこちらからゼロベースでのプッシュ提案を積極的にはしていません。持ち込まれた相談に合わせて、広告代理店さんなどと一緒に企画提案しています。 ほとんどがインバウンドですね。というのも、セールスチームの人数がめちゃめちゃ少ないんです。

恐らく我々ぐらいの規模 (補足参照) のメディアだと、セールス部署には少なくとも10名、多ければ20名ぐらいいることも珍しくないのですが、私たちは 現状 3人 でやっています。

(補足) pixiv "会員数とアクセス数"
会員数 3000万人 / 月間26億PV / 月間2600万UU
10代~20代が約80% 学生が40%
(pixiv メディアガイドより)

ーー3...、3人ですか? (笑)

芹澤 考えられる最少人数でやっています (笑) 。

"営業ルールを作らない" 方針だから "変化に柔軟に対応" できる

ーーでは、実際に営業活動について伺っていきたいのですが、どのようなお客様が中心となるのでしょうか?

芹澤 広告資料にもありますが、業種として多いのは電子書籍やゲームアプリ等のお客様です。我々ならではというところですと、イラスト系の学科、専攻をもつ専門学校や一部大学から、ユーザー層との相性が良いのでよくお引き合いを頂きます。

ーー学校さんは、やはり学生募集が目的ですか?

笠原 基本的にそうですが、ときどき講座の集客案件もあります。

芹澤 他にも、ある検定協会からお問合せを頂いたことがあり、それをきっかけにいろいろな検定にアプローチしていたことはありますね。

笠原 アプローチ先を決めてやったことは他にも何回かあって、例えばコミックマーケットに出展しているすべての企業にアプローチしよう!と動いたこともありました。とはいえ、あくまでもメンバー主導で、私からは何も言ってないことがほとんどです。

ーーとくに営業スタイルや提案先について細かく指示を出す、ということもないですか?

笠原 そうですね。私も9年ぐらいこの部署でやっていて、最初はどういうチーム、どういう営業スタイルにしようか、など考えていましたが、あえていまは "営業のルールを作らない" ということに落ち着きました。

ーーそうなんですね。なぜ、そうなっていったのでしょう?

笠原 Web広告は移り変わりがものすごく早いですよね。例えば10年前は人気メディアの純広告というだけで売れている時代がありました。電話だけでリスティング関連の商材が多く売れたりする時代もありました。その後は、どんどんプログラマティックになって、運用型広告によるオンライン入札やPMPによるWeb上での取引も可能になるなど、常に変化を続けています。

そうすると、10年前に "純広告って、こうやると売れたよ" といっていたものが、適切な営業手法やアプローチが変わってしまいますし、そもそも純広告自体が昔ほど売れなくなる、ということも起こってしまいます。

なので、これが勝ちパターンだ、とか方針を決めると、1,2年後には逆に身動きができなくなってしまうんです。 そう考えると、 "変化に柔軟に対応する" には、"営業のルールを作らない" ほうがよい、という結論になりました。

ーーなるほど。"勝ちパターン" が変わっていく、というのは、営業からすると、とても怖いですよね?

笠原 (芹澤さんをみて) どう、怖いかな?

芹澤 怖いですよ (笑) たしかに広告業界では売れていたものが売れなくなることは割とよくあることです。その一方で、今まで見えてなかった商品を再発見したりすることもあって、ピクシブでは、ここ1年~半年で、新しい広告メニューをかなり増やしてきました。 わかりやすい例では、笠原との何気ない雑談から着想を得て3日ほどでリリースした簡易な広告商材がお客様に刺さり続けて、今期すべて枠が売り切れる、ということもありました。

ーーなるほど!

芹澤 新しいものを作り続けることを怠らないようにすれば、ちゃんと変化に対応できるようになります。

笠原 それもあって、前四半期も過去最高売上を更新できています。 いま業界では純広告やタイアップ広告は売上が縮小傾向にあって、広告主さまの予算は運用型のプログラマティック広告の方にシフトしていっていますが、おかげさまで、ピクシブは右肩上がりに純広告やタイアップ広告の売上もちゃんと伸びているんです。

ピクシブではセールスチームもユーザーファースト

ーーいいお話、ありがとうございます!
とはいえ、新しい枠を作るなどの新しいことをやろうとすると、社内の衝突があって進まないこともあると思うのですが?

芹澤 たしかにWebメディアではよく、 エンジニアと営業が衝突するとか、場合によっては仲が悪いという話を聞くこともあります。 営業側は売上を上げること、プロダクト側はユーザーファーストであること、これが平行線になることが多くて、それが原因で新しいものがやりにくい、というのはあります。

ーーたしかに、広告多くてユーザー体験悪い、というような記事をよく見ます。

芹澤 ピクシブの場合は、営業も含めて ユーザーファースト の思想を重んじているんです。ユーザーの体験を損ねてまでやる広告はないよね、という理解が浸透しています。
なので、新しいことでもスムーズに進行できることが大半ですね。

笠原 広告を邪魔だと感じるユーザーが多くいることは事実ですので、どういった形で広告を展開するとしても、ユーザーの反応を見ることを怠ることは決してないです。Twitterでネガティブなリアクションがないか、Google Analyticsで滞在時間・回遊率・離脱率などに悪影響は出ていないか、ということを我々メディア事業部自身がきっちり見ていって、ダメなものはすぐに停止して考え直すようにしています。

売上をあげることを考えつつも、決してユーザーのことは忘れずに意識している感じですね。その意識こそがユーザーファーストだろう、と。それをエンジニア側もわかってくれているから、議論が起こることはあれど、感情的に衝突することはない、という状態です。

ーーユーザーファーストは営業的には厳しい曲面もありそうですが (笑)

芹澤 もちろん、営業としては目標が厳しいときは、心の中でせめぎ合っている時もあります (笑)。 ただ、売上で得られるものより、失うもののほうが大きいと考えて、違う方法を考えよう、と切り替えていますね。

笠原 ですので最近は 、広告とユーザーとのマッチングの精度をどう高められるのか、枠の追加をせずに広告効果や売上をどうあげられるのか、をより重視して、エンジニアと一緒になって、セグメント配信の多様化や最適なアルゴリズムの構築を進めています。

なんでもゲームにして競ってしまうセールスチーム

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ピクシブらしい本棚と仲の良いお二人

ーーでは、チームのことを伺っていきたいのですが、チームの平均年齢はどれぐらいでしょうか?

芹澤 私が27歳で、他に...

笠原 え、27歳?? (笑)

ーー (苦笑)

芹澤 私が意外と27歳 (笑) で、他に23歳と25歳のメンバーがいるので、ちょうど25歳です。ピクシブ全体の平均年齢が29歳なので、その中でもセールスチームはとくに若いですね。

ーーとても若いですね。 何かセールスチームならではのイベントなどはありますか?

芹澤 プライベートでもかなり仲がよくて、最低でも毎月1回以上は飲み会もやってます。 それで、だいたい飲みに行くと盛り上がって、最近は笠原の家までおしかけて、朝までスーパーマリオやったり、ボンバーマンやったり、あれこれ友だちの家だっけ?みたいな状態になってます (笑)。

ーー(笑) いまどき珍しい!

笠原 そのゲーム実況動画をアップしていて...(動画を見せながら)

芹澤 ヒドかったですね、この前は。4人で協力プレイをしているのに、後輩が私を突き落としていて、あ、そう、このシーンです。大変揉めに揉めたシーンです (笑)。

笠原 あと、この前の年明けには、 「ポプテピピック クソかるた」というのを年末のコミケで買ってきたメンバーがいて、それを初出社日の仕事終わりにやりましたね。

芹澤 ポプテピピック (笑) ご存じです?

ーーはい、よくTwitterで (笑)

芹澤 年明け早々にそれを見つけて、定時後スグにそこでフィールドを広げて、全員でやりましたね。

ーーへー、めっちゃ楽しげですね。

芹澤 本当に距離感が近いですね。特に夜は上下関係なくなります。

笠原 あと仕事に関係することでいうと、みんなイラスト初心者だったので、pixiv のイラストコンテストに参加して、だれが一番閲覧数を集められるか、とかもやりました。

芹澤 その模様をこの社内のドキュメント共有ツールにまとめているんですが、本当に素人で、ヒドいんですね。

ーー (笑) ヒドいですね。

笠原 でも、上手くなったメンバーもいて、(画面を見ながら) これです。イラスト2枚目で、なんで、こんなにうまくなったのか。

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セールスメンバーが書いたイラスト

芹澤 何があったのか聞くと、社内のイラストレーターにノウハウを聞いて...

笠原 ブラシの使い方を教えてもらうとこうなりましたって (笑) 。

芹澤 で、所要時間をみると、15時間って書いてあって、「ガチじゃん」(笑) って。

笠原 ちょうどいまやっているのは、Twitter広告が個人でも広告を出せるので、みんなで期間内に一番エンゲージメント稼げるのは誰だ!ということをやってます。 2,000円という上限を設けて、一番2,000円を上手く使えたやつが勝ち、というゲームです。

ーー本当にゲーム好きですね。チームで自由にゲームをやってるんですね。

チーム全員が全員の案件を知っている

エンジニアがSlackの面白い使い方を教えてくれる

ーーでは、コミュニケーション方法についてですが、普段チームではどのように情報共有しているのですか?

芹澤 3人という人数なので、(チャットツールの) Slackもやったり、席も近いので顔を突き合わせてしゃべったりとか、とりあえず全員共有して、1人で抱え込むことはやめよう、と言ってます。

笠原 Slackは便利ですね。

芹澤 前職では別のツールを使っていましたが、Slackになって意思疎通が円滑になり、意思決定も早くなったと思います。 笠原含め上司にあげることでも、いい意味で気を使ってなくて、10秒で 👌 がでたりとか。

ーーなるほど。Slackとかで、コミュニケーションがうまくいく会社と、うまくいかない会社もあって、オープンなチャンネルでの発言が少ないチームもありそうですよね。

芹澤 内容によってはダイレクトメッセージにした方が楽だし突っ込んだ話が出来る、という考えもあると思いますが、 ピクシブでは、いいと思ったアドバイスはどんどんオープンに発信するし、それに対してすぐに不特定多数の人からリアクションスタンプが返ってきます。

ーーそういう文化なんですね。

芹澤 そうですね、スタンプもカスタマイズしていて、千何百種類のスタンプがあります。 それだけコメントへの受け入れがすごく整っているので、発信することに恐れがないんだと思います。

笠原 エンジニアの人数が多いこともあって、どんどんカスタマイズするし、どんどん新しい面白い使い方を開拓するしで、めっちゃ楽しいですね。

発信する習慣がある

ーー営業がこれだけオープンなコミュニケーションをやるというのは珍しいと思います。

笠原 例えば、広告と開発の連携用チャンネルだと、社員の半分の77人も入っていて、あれ?広告業務に関わってる人そんなにいたかな?っていう人数です(笑)。でもそうすると、いろいろな部署、いろいろなレイヤーの人から「あそこの会社さんはこんな考え方をするよ」とか「ユーザーはこういう方が好みですよ」という感じにアドバイスが飛んできます。

芹澤 もちろん私たちも広告以外のチャンネルも見ていて、いま数えてみると40個もチャンネルに入っていますね。

笠原 もちろん、その一方で、全部オープンにするのではなく情報の管理は気を遣ってやってます。

芹澤 営業の場合、広告主さまのリリース前の機密情報などを扱ったりするので、かなり管理に気をつけて、Slackでは流さずに、メールなどで情報共有しています。

ーーSlackとは別に社内ドキュメント共有で、esa も使っているとホームページではありましたが、どんなことを書いているのですか?

笠原 私はアドテクの話をよく書いていて、例えば、最近の広告業界の動向をみて考えていることや2018年広告はどうなるのかを書いてますね。

ーー (画面を見せてもらって) 結構、長文をちゃんと書かれるんですね!

笠原 そうですね、こういうのをちゃんと書いておくと、時間的にひとりひとりに説明してまわるのは難しいようなことでも、多くの社員に伝えられます。 また、他部署の人間も「あの部署はこれからについてどう考えているんだろう?」という不安に対して、考えを知ることで安心して仕事が出来たり、コメントからそのまま議論になったりと、どっちにしてもメリットがあります。

ーースゴイ。。とっても面倒くさくないですか、考えをまとめるとか。

笠原 時間はかかりますよね (笑) ただ、それも多くの社員が読んでくれてリアクションをしてくれるので、時間のある限り自分の考えを発信していきたいなぁと思っています。

ーー若手の方も結構、書いているんですか?

笠原 めちゃめちゃ書いてますね。今日でも24時間以内に書かれたものが 21記事ありますね。

芹澤 社員が150人ぐらいしかいないのに、なんで10%以上も書いているんですか (笑)。

笠原 書き過ぎでは (笑)。

全員が同じ案件をやることで、ノウハウ共有する

ーー発信することが日常的でスゴイ! では、営業でどのようにやったか、はどのように共有しているんですか?

笠原 そこは決まった方法はなく、全部の方法を使ってやってますね。

芹澤 そうですね、よくあるノウハウの共有会みたいなものは全くなく、四六時中やるものだと思っています。

笠原 つい昨日も、新しくリリースした商材に関する、初の検討案件があったんです。それがもしかしたら決まるかもってなった瞬間に、部署の全員が、そのメンバーのところに集まって、全員でアドバイスしながら、無事発注が決まりました。

ーーめっちゃ、おせっかいですね (笑)

芹澤 (笑) メンバー個人の案件を全員で追ってます。

笠原 人数が少ない、というのもあって、各自がどのようなことをやっているのかわかっているので、全員が ワーワー 口出してやってます。

芹澤 人数が増えても、今のように顔を突き合わせて都度都度、話して解決していくスタイルさえ確立出来てしまえば密度高くやっていけると思ってます。

ーーなるほど! 全員で1つの案件を担当するみたいな密度でやる、と。

笠原 例えば、イラストコンテストが決まると、全員でどういう応募テーマにするか、賞品は何が刺さるかとか大喜利のようなアイデア出し大会が始まることもあります。

芹澤 なので、個人でノウハウが閉じることはないですね。

個人商店的な営業ではなく、チームで営業することに変更 !!

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インタビュー中も掛け合いが多かったお二人

個人の営業シートも、予算目標も無くして、1つのチームシート、予算に変更

ーーでは、情報共有という点では会議はやってらっしゃるんですか?

笠原 セールスチームだけでは週一ですね。

芹澤 それも15分から20分ぐらいでスグに終えてます。
セールスチームでは週次でスプレッドシートをまとめているので、そのときに各メンバーに聞いてます。 席が近いこともあり、その内容は他のメンバーもだいたい聞いているので、そうすると、その会議ではざっくりとしたおさらいと最終確認だけになります。

笠原 あと、その定例会議では案件と進捗の共有をするだけで、何か新しく決めることはないです。

ーーそこはお考えがありそうですね。

笠原 新しいことをやろうと思ったときに、そのまますぐに行動し始めるのが一番良いと思ってます。 新しいメニューを思いついてから定例会議を待つのではなく、思いついたその日に誰がどうやるかを決めて動き始めちゃう感じですね。もちろん長期的で戦略的な大きいプロジェクトは別ですが。

ーー新しいことは熱があるうちに、ということですね。

笠原 そうですね。

芹澤 あとは、定例会に使うスプレッドシートを各メンバーそれぞれ作っていたのを止めて、1つにまとめました。 個人シートでやってしまうと、自分の案件だけにしか関心がなくなってしまうので。

ーーそれはすぐにマネできて、いいですね !!!

芹澤 いちいちシートを移動するのも面倒ですし、ほかのメンバーの案件の動きを把握出来なくなってしまうんです。 それがイヤで、 個人別の予算も排除して、最終的にはチームの予算だけを決めて やるようにしました。

笠原 これはちょうど去年からはじめました。

芹澤 自分が予算達成したから、あとは他のメンバーよろしく、というのは変な話で、チームが達成できてなかったら、そのメンバーにも責任があると思っています。その予算を達成できたノウハウを横展開してはじめて、ゴールだと思っているんです。 それで個人予算を止めました。

笠原 その個人予算がなくなったからか、今まで以上に協力したり応援したりする文化が生まれました。 昨年末も過去最高を更新できるかどうか、という瀬戸際があったのですが、案件無くなったメンバーが、案件あるメンバーの応援をめっちゃしてました。

芹澤 あれは楽しかったなー。 みんなでマラソンしている感覚 ですね。

個人商店のような営業は "さびしい"

ーーどうして、そのような個人予算を止めようと思い立ったのですか?

芹澤 もともと前職は広告会社の営業だったのですが、個人商店的で、1人で予算を追っかけるスタイルでした。 会議のときは、1人1人その進捗を週報にして、一緒にまとめて印刷して、会議で個人ごとに発表するというものでした。週一回の会議の時にしかメンバーの案件のステータスを知る機会がないので、例えば自分の提案に知見を活かしたい時に、詳細は口頭でヒアリングをする必要があり…。いつでも見れれば良いのにな、と思っていました。

ーーたしかに。

芹澤 ピクシブにきた時も、スプレッドシートにまとまってはいたものの、各個人の案件はタブで分かれてしまっていたので、これはすぐやめたい、と思いまして。幸い、その辺りは一任してもらえていたので、すぐにやりました。

ーー効率化を図ったんですね。

芹澤 なるべく工数を減らして、メンバーそれぞれが、他のメンバーの動向にも目を向けられるようになることで、チーム全体で相互チェックをできれば、と思っています。実際に、他のメンバーが自分の案件を見てくれることで、リカバリーができており、全体のミス削減にもつながっています。

ーーたしかに、レビュー文化も根付きそうで、良いことが多そうです。
では、最後に、いまのセールスチームの課題があれば、お聞かせいただけないでしょうか?

笠原 最終的には人の問題になるので、単純にいいメンバーを増やしたいな、と思ってます。 いまチームのコミュニケーションが活発で、いいアイデアが一杯挙がるんですが、どうしてもリソースの観点から後回しになることが増えています。 挙がったことをすぐやれれば、気持ち良いだろうし、さらに強くなると思ってます。

ーーありがとうございます! 芹澤さんはいかがでしょうか?

芹澤 先程の取り組みで、いまメンバーがどんな案件をやっていて、どんな内容なのか、ようやく各自少しずつ見えるようになってきたのですが、そのレベルをもっと上げたいと考えています。

ーー今でもいい感じなのに、それをどんなレベルにしようと?

芹澤 例えば、「今、あの人の案件がこんなステータスで、こんな課題を抱えているから、これをやってみるのはどうだろう」といったアドバイスをお互いに出来る状態にしたい、と思っています。 個人的にはこのような "一体感" が好きなんです。 より多くの案件と関わることで視野も広がり、自分の案件にも活かせるようになると思っています。

具体的には、まずはマインドから入って、ツールも良いものがあれば入れていきたいです。メーリングリストでメール追ったりするだけだと量がかさばって大変ですし、スプレッドシートに週一でステータスを書くだけだと逆に薄すぎるので。 とにかく、無駄なコミュニケーションを減らして、その分、お互いの案件に向き合う時間を作れるようにしたいですね。

ーーなぜ、そんなに個人商店的なものを排除したいんでしょうか?

芹澤 トラブル防止という面はもちろんありますし、あとは 1人で目標を追っかけるのがさびしいん ですよ。

笠原 確かに、さびしいね (笑) ツラいよね。

芹澤 ツラい (笑)。自分が目標を達成出来ていなくて苦しんでいる時に、他の人が早々に達成していたりすると、焦ったり悔しかったりで凄くツラいと思うんですよ。 もちろん、それが原動力になる場合もありますが。

あと、個人の担当クライアントをカッチリ決めてしまうと、売上がクライアントの好不調にも寄ってしまうので、いまはほとんど担当クライアントもつけてないんです。

ーーえーー、本当ですか?

笠原 助ける、という名のもとに、案件をかっさらうこともできて、「いま忙しいですよね、私やりますよ」とかって言って (笑)。

ーーそれも案件をかっさらっても、個人予算ないからこそ...

芹澤 できます。しかも、自分の利益のためにかっさらうのではなく、余力があるからかっさらうことができます。最終的にチームの利益になればそれが一番だと思うので。

ーーいいですねぇ。

芹澤 予算達成出来なければみんなで原因をとことん考えますし、逆に達成出来たときはみんな全力で喜びます。 先日、年度末の最終日とかで達成できた時には、そのままオフィスで笠原からもらったモエ・シャンドンを開けました。

笠原 動画も撮りましたし、Slackでも共有しましたね。

ーーなんかスポーツチームみたいですね。

芹澤 そうなんですよ、各メンバーで1つの目標を追っかけてチームプレイしているんです。 あと、大人数のチームであれば、仮に2人ぐらいサボっている人がいても大丈夫なんですが、3人なので、1人でもサボると死ぬんです (笑)

ーー(笑) たしかに !!

芹澤 なので、いま3人で作ったノウハウやマインドは人数が増えても、繋げられるようにしておきたいなと思います。

ーーいい感じです!!!! めっちゃいいお話いただけました! 胸熱です。
では、笠原さん、芹澤さん、ありがとうございました!!

笠原 芹澤 ありがとうございました !!!

まとめ

セールスチームの情報共有を探る取材、第2弾として ピクシブさんにお邪魔してきました!
3人という少人数だから、というのはあるものの、個人目標を無くして、チームで営業することに変えても、過去最高を更新し続けられた、というのは本当に驚きです。

個人商店のくだりはとってもうなずける部分があって、私自身も人材採用広告を営業していたことを思い出し、会社予算を達成できても、ピクシブさんのお話のようには、喜んでませんでした。

チームで営業するとは、みんなで情報もノウハウも共有して、その先に、一体感、というのを目指してやるものなのでは、と思ったインタビューでした!!

今後、人数が増えたときに、どうなっているのか、また取材したいですね。

ピクシブさん、笠原さん、芹澤さん、本当にありがとうございました!!!
次回もお楽しみに!!!