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「来期の予算2倍、必達な」と言われたときの営業計画の立て方

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「次の売上予算は2倍、必達な」

上役はたぶん思惑があってのことですが、時として、営業マネージャーやリーダーにはこのような無茶? な要求がきます。

「いや無理っす。現実的じゃない目標や計画だとメンバーのモチベーション下がります」と言いたいところですが、そんなときでも一つだけ、シンプルな基本の数式に立ち返って考えてみると、案外できそうに考えられます。

では、その数式をもとに営業計画を考えてみましょう。

営業計画で使うシンプルな数式

当たり前すぎるのですが、営業の売上は次の式で決まります。

  • 営業売上 = 顧客数 × 受注率 × 顧客単価

「リピート率とか営業効率とかも変数に入れるべきでしょ」などなど異論あると思いますが、変数を増やしても顧客数、受注率、顧客単価のいずれかに含まれるものなので、まずはシンプルに考えてみます。

では、その「売上予算2倍、必達な」の要求に対して、

  • 顧客数 or 受注率 or 顧客単価いずれかを2倍にする
  • 顧客数 を 1.4倍 × 受注率を 1.4倍
  • 顧客数 を 1.25倍 × 受注率を 1.25倍 x 顧客単価を 1.25倍

いくらでも組み合わせは出来ますが、このように分解して、どれかが可能性あれば、達成を現実的に考えることができます。

変数ごとの目標、例えば「顧客数を1.25倍増やす」で考えると、いかがでしょう? なんとか行けそうな気になりますよね。また、同時に考える範囲が狭まり、アイデアが生まれやすくなります。

その上で、現実的でないなら、上役に倍増のアイデアを出してもらうか、持ち前の交渉力で落とし所を探りましょう (笑)

顧客数、受注率、顧客単価に効く営業戦略

では、「売上予算2倍、必達な」を達成する顧客数、受注率、顧客単価それぞれの変数に効く営業戦略を考えてみましょう。

顧客数を増やす

顧客数はどのようにすると増えるのでしょうか。

  • 顧客数を増やす
    • エリア、業種や規模などターゲットを増やす
  • 営業の量を増やす
    • 営業リソースや商談数を増やす

基本的にはこの2つです。このなかでも近年オプションが増えているのが、代理店、営業代行、テレアポ代行など従来のアウトソースだけではない、 営業の量を増やす 方法です。

例えば、

  • インサイドセールスチームを作り、コンタクト数を増やす
    • オンライン商談ツールなどで1日の件数を増やす
  • アポ生成ツールで1日に数千件単位で新規に自動でコンタクトする
    • もしくはアタックリストを自動生成する
  • 副業できる営業やリタイアした方に依頼して顧客を紹介してもらう

このような手法が近年増えてきていて、 ベルフェイス さんや APOLLO AI さん、 ブレーンパートナー さんなどが活躍しています。これによって例えば、顧客セグメントを変えるときなど一度試してみて、反響を掴むという検証もできます。

いかがでしょうか? 1.25倍以上のプランになりそうでしょうか。

ちなみに、ホッパーズでもベルフェイスさん、使いたい。。

受注率

続いて、受注率です。ここはどのようにすると上がるのでしょうか。

  • 営業スキルアップ
    • A読み、B読み、訪問、提案など案件のフェーズごとに案件をホップできる率を上げる
    • 対面の表情・姿勢 / 営業トーク / ヒアリング / 提案 / 交渉 / クロージング などトレーニングする
  • ホップを支えるツールを改善

これも2つです。ただし、ここはとっっっても悩ましい領域です。。営業リーダーやマネージャの皆さんもおそらく一番、メンバーの育成・スキルアップに頭を悩ませることかと思います。

わたしたちホッパーズはこの領域で、チームの営業ノウハウを共有して活用する、ということをやっていて、受注率の改善に繋がる成果が出てきています。

biz.hoppers.team

その他ではSFA/CRMの機能として、AIが過去の履歴から取るべきアクションを推薦する、というものあったり、受注シナリオを用意して、自動スケジュールでヌケモレを防ぐ、といったものがあったり、商談を録音し、どの言葉が顧客に響いたのか、AIが分析するものまで、色々試行錯誤されていますが、決定打は出ていません。

また、この中で見逃してならないのが、 企画書など営業ツールの見直し です。

企画書や補足資料、デモ動画などがストーリーを作ってくれれば、個々の営業スキルをカバーし、顧客には伝わります。

先日お邪魔した Lib さんではサービスリニューアルに伴って、企画書もデザインを一新し、ホップ率を5%改善されたそうです。

またベルフェイスさんのオンライン商談ではトークスクリプトを出しながら営業できるので、営業スキル不足などをカバーできそうです。(先輩やリーダーからカンペも出しやすそうです)

ただし、この領域が難しいところのもう1つは、案件のフェーズごとのホップやロストなどが計測されていることが少ないことです。顧客数や営業の量は計測されていることが多いのですが、フェーズごとに計測されていないと、施策を打った効果が曖昧になりがちです。 結果、施策が効いたのかどうかわからず、長続きしません。

顧客単価

最後の顧客単価はどのようにすると上がるのでしょうか。

  • アップセル商品を追加
    • 商品の上位プラン・オプションプラン、機能などを追加する
  • クロスセル商品を追加
    • 同じ顧客・担当者に違う領域の商品を追加する
      • ex. 例えば人事担当者向けに採用系だけでなく研修系の商品も追加する

ここはそれぞれ営業チーム固有の領域なので、各チームによって施策はバラバラになります。逆にいうと、営業リーダーの腕の見せどころです。

顧客担当者が普段どのような業務をしているのか、そこにどんな課題がありそうなのか、熟知したリーダーでなければ、このアップセル・クロスセル商品は考えられません。

また、このアップセル・クロスセルの商品から次の主力商品が生まれることもあるので、常日頃考えて意識しておくと、アイデアが生まれやすくなります。

営業リーダーが「来期、売上2倍、必達な」と言われたときのまとめ

一見無謀な要求をされたとしても、

  • 顧客数
    • 顧客数を増やす
    • 営業の量を増やす
  • 受注率
  • 顧客単価
    • アップセル商品を追加
    • クロスセル商品を追加

これに分解すると、現実的な目標まで落とし込むことができ、営業計画も立てられそうです。また日頃から課題意識を持っておくと、ひょんなことからアイデアが結びつきやすくなります。

ただし、ここでアウトプットされるのは 未検証のアイデア です。なので、実際に営業計画に盛り込めるかどうか、必ずテストしてみる必要があります。

施策のアイデアを小さくテストする

なんでもそうですが、テストせずにいきなりフル導入すると、導入コスト・対応コストだけでも相当になります。その導入コストによって、今度は 導入したからには成果を出さなくてはならない 、という悪いサイクルが発生します。

このため、アイデアをテストしてみて、その結果を持って、チームに展開するか考えてみると良いです。

オススメのテストのやり方は まず1週間1人でやってみる という方法が良いです。

アップセル・クロスセル商品であれば、1週間で自身のお客様に案内してみる、オンライン商談ツールでも1週間、お客様との商談で使ってみる、などです。 ここで小さくテストしておけば失敗しても特に影響も少なく、また逆にそのアイデアをチームに導入するときのノウハウになります。

また、施策テストの効果検証も忘れてはなりません。例えば「その1週間で 1.25倍、営業の量を増やせたかどうか」「1週間で1.25倍、顧客単価を上げられそうなC見込みは何件だったか」など具体的な数値が無いと、その施策が良いのか判断できません。

というわけで、「来期のチームの売上予算、2倍、必達な」という上役の要求に応えるための営業計画を考えてみました!!
営業チームのチャレンジな目標を、確実に達成できそうな営業計画に繋がることを願っています !!