すごいセールスチーム

すごいセールスチームの情報共有や営業のノウハウを共有するやり方を探っています!

セールスなのにリモートOK! インサイドセールスで成果を出す、コデアルさんのセールスチームを取材しました!

f:id:sezemi:20180529101916j:plain セールスチームの情報共有のやり方を探る、セールスチームの取材第3弾は、コデアルさんです。

コデアル株式会社 (2012年設立)
話題の「副業・リモートワーク」という新しい働き方を提案し、即戦力IT人材とIT人材不足に悩む企業600社をサポート。
今月2018年5月に自社開発の副業プラットフォーム「CODEAL(コデアル)」をリニューアルしたばかり。

取材に応じていただいた方

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愛宕 翔太 さん
コデアル株式会社 代表取締役

訪問するのが当たり前ではないセールスチーム

ーー今日はよろしくお願いします!

愛宕 よろしくお願いします!

ーーまず、取材前に拝見した記事に「訪問するのが当たり前、セールスは接触回数がすべて。 そういう方は、コデアルのセールスの責任者に合わないと思います。とありました。ここから伺わせてください。

愛宕 はい。

ーー愛宕さんはどのようなセールスチームをお考えになっているのでしょうか?

愛宕 会社のビジョン「リモートワークで働くをもっと自由に」とバリュー 「シンプル、率直、仕組み化」 で考えた結果、セールスされるお客様側も貴重な時間なので、必要なときに、よい提案をうける、という方がいいと思い、そのメッセージになりました。
またセールスのKPIを「訪問」にすると、行きやすいところだけに訪問することにもなりかねないので、KPIから外しました。

ーーその一方で、コデアルさんのような新しい価値を提案する場合、知らない人にプッシュすることも必要で、訪問するのも一つの手だと思いますが、いかがでしょうか?

愛宕 もちろんアウトバウンドでセールスもしています。

例えば、イベント出展してコンタクトを取ることもやりましたし、新しい手法だけが良い訳ではなく、費用対効果がよく、お客様の体験が良かったチャネルをテストしながら採用しています。

なので、新しい施策結果を測定できるようCRM/SFAを使って評価を行う一方、昔ながらのヨミ表を作って愚直に案件の進捗も追っています。

ーーでは、セールスチームのやり方もどんどん変わりそうですね

愛宕 はい、変わります。私自身もセールスのやり方を変えています。

ーーご自身のやり方はどのように変えるのですか?

愛宕 私の場合、製品やサービスの開発前からセールスするのですが、その場合は「こんなものだったら使っていただけますか」と案内しながら、製品を作る前に、先に契約をいただくというやり方です。

ーーなるほど!!

愛宕 それで製品を開発した後、今度はセールスチームを作るというやり方になります。いまコデアルは600社のお客様がいらっしゃって、さすがに1人では出来ないので、 リモート も含めたセールスチームを作りました。

リモート x ビデオ通話が当たり前のセールスチーム

ーー「フルリモート」も含めてですか?

愛宕 フルリモートの人もそうでない人もいます。2名がフルリモート、2名がたまにオフィスで、1名だけ第二新卒でフルにオフィスにいる状態で、合計5名がセールスチームにいます。ビデオ通話でセールスをすることも多いです。

ーーなんと、ビデオ通話!!

愛宕 アメリカに本社があるような企業の場合、移動せずにセールスするのが当たり前なので、それでいいんじゃないかと試しに始めました。ビデオ通話で資料を見せながらセールスを進めています。

そうすると、例えば、 主婦のメンバーの場合、パートナーの方がどこに転勤しようがインターネットがあればどこでも仕事ができる ので、とてもいいですよね。

ーー確かに、どこでも仕事できるのは良いですね!ビデオ通話でのセールスは最初からですか?

愛宕 はい。私自身、あまり会社での勤務経験が無かったこともあって(笑)、特に違和感なくビデオ通話でセールスを始めました。ただ、どうしても「訪問」してほしいというお客様もいて、そのときは私たちのビジョン「リモートワークで働くをもっと自由に」と照らし合わせています。その結果、訪問依頼の大半をお断りしています。

ーービデオ通話でセールスというのは、今までの方法とギャップがあるように思いますが、メンバーの皆さんはスムーズに進められたのでしょうか?

愛宕 最初は「ビデオ通話ってこうやるんですねー」など慣れない言葉が出ますが、実はそこまでギャップは無いんです。 いまはLINEやFaceTimeなどでビデオ通話する経験が一般的になっているので、スグに仕事でも出来る ようになります。

ーーなるほど、確かに普段の生活で経験済みですね。一方で、お客様のビデオ通話への抵抗はありませんでしたか?

愛宕 ビデオ通話の参加方法をお伝えして参加してもらうと、 お客様からも「これいいよね」といただくことが多く 、今度は他のお客様に紹介してくださいます。また、お客様が使い方をアレンジされていくので、私たちも学ぶことが多いですね。

リモートワーク前提のコミュニケーション方法

ーーセールスチームのコミュニケーション方法も今までと違うものになると思うんですが、どのようにやってらっしゃるんですか?

愛宕 チャットツールやビデオ通話・会議ツールを使っていて、そこには予算を掛けています。チャットツールのSlackは有料契約していますし、 zoom というビデオ通話・会議ツールも有料契約しています。

またリモートで働くメンバーはPCを立ち上げっぱなしで zoom から常に顔が見れるようにして、リモートからも社内のメンバーが見れるように、オフィスが見渡せる位置にiPadを設置して、目線の高さに合わせて、そのまま音声で呼びかけやすいようにしています。

こうすると、 リモートからもオフィスにいるような感覚 で「おーい、愛宕!」みたいに呼べるので、あとは個々にビデオ通話が始まります。

ーー確かにそうすると、顔を見ながら話せるし、リモート感が出ません。コミュニケーションしやすそうですね

愛宕 はい。またリモート環境を作って面白かったことが、私のようなセールス気質の人間の場合、業務中に喋りすぎる傾向があり、それによってメンバーの仕事が中断されることが多くありました。それで周りのメンバーがリモート環境を推進して、愛宕のお喋りを止めようという背景もあったようです(笑)。

ーーセールスの人間として私も思い当たるフシがあります(笑)。その一方で、セールスの場合、口頭コミュニケーションが多く、何かテキストやログを残すコミュニケーション方法は定着しにくそうに思うんですがいかがでしょう?

愛宕 どうでしょうか。最初の10人が文化を作ると言われていますが、不思議なもので、勝手に定着していったように思います。少なくとも私だけのカラーではなく、創業メンバーのカラーが影響していると思います。

ーーその文化に、後から加わったセールスのメンバーが合わせていくのでしょうか

愛宕 合わせるということはありません。型を作ったり、仕組みを作ることが好きなセールスが多いので、抵抗はそれほどありません。またセールスのマネージャもそういったタイプです。

ーー確かに抵抗なさそうですね。そのセールスマネージャはどのような方なんですか?

愛宕 一番少ない手数で、誰でも出来るようになることを考えるエンジニアタイプです。私はセールスマン気質が強い人間なので、私と並ぶと、対照的ですよねとよく言われます(笑)。面白いのが、私たちのオフィスが半蔵門なんですが、自宅も半蔵門にあるというエピソードがある人間です(笑)。

ーーとてもおもしろいですね(笑)

愛宕 もちろんオフィスに近い方が移動時間が短い、という合理的な判断があったんですが、一方で、 「リモートワークで働くをもっと自由に」というビジョンのためには、自分たちもリモートワークをやっていないとお客様には薦められない と考えて実行していました。

ーーなるほど! ドッグフーディングですね

愛宕 CODEALのサービスを通じて働かれている方々も、年齢層一つとっても20代前半の方もいれば、お子様もいる30代の方もいらっしゃったり、とても多様です。

なので、CODEALというサービスを提供させていただいているコデアル株式会社もセールスチームのメンバーに限らず多様な年齢層のメンバー構成になっています。それによって、サービスも多様な視点で見れるので、とてもよいと思っているんです。

実際、お客様からの使い勝手の意見や問い合わせを整理して、開発チームに投げるのもセールスの役目なので。

ーー珍しい。そこまでセールスがやるんですね。 では、少し話を戻して、セールスチームの情報共有によくある日報、週報などのレポートはどのようにされているのですか?

愛宕 日報のみSlackで出すようにしていますが、事細かに書くことはありません。詳細はCRM/SFAのツールに書くので。日報に書くのは、各メンバーにミッションがあるので、そのミッションの進捗を書いています。

ーーどんなミッションなのですか?

愛宕 各メンバーによってミッションは変わります。
「リモートワークで働くをもっと自由に」というビジョンを因数分解して KGI ができ、マネージャがその KGI から KPI と合わせてメンバーのミッションを作っていて、例えば、100アポ獲得します、のようなミッションや、受注単価アップや受注率の改善などメンバーによって異なります。

インサイドセールスでスキルアップして "1人前" になってからリモートOK

ーー一方で、チャット等の場合、意見の衝突があると解決が難しそうに見えますが、どのように解決しているんでしょうか?

愛宕 もちろん発生するときはあります。ただ衝突しても、まずやってみて、その結果の数値を見たり、お客様に聞けばわかることなので、特にそこまで深刻になりません。やってみた結果、言ってたことは間違ってたね、といったことは私もよくあります。というより間違っていることの方が多いです。

ーーテストして上手くいったノウハウはどのように共有されているのですか?

愛宕 Slackを使って、ノウハウを発信してもらったり、社内のドキュメント共有ツールの esa 上に情報を展開しています。 それに加えて、セールスノウハウを発信する文化があり、実際、私もセールスノウハウを結構、ツイートしています。それで面白がってリアクションした人が採用に繋がって、その人が新しいノウハウを生み出していますね。



ーーそこまで公開する文化があるんですね! とはいえ、ビデオ通話と言っても対面なので、あとで書いたり残す必要があり、ノウハウやスキル共有するのに面倒がありそうですが、いかがでしょうか?

愛宕 ビデオ通話はそこでも効果を発揮しています。先程、第二新卒のメンバーは毎日オフィスに来ていると申し上げましたが、 そのメンバーがビデオ通話でお客様と商談するときは、必ず誰かの隣にいるのでサポートやレクチャーしやすく、また移動時間が少ないので回数も増やせます。

なので、第二新卒入社のメンバーは現在、リモートではなくオフィスにいるという状態なんです。

ーーなるほど!!

愛宕 これは Salesforceの新人育成方法 からインスピレーションを得ました。

ーーそれはスゴイ仕組みですね

愛宕 とてもシンプルな仕組みなだけに、100通りのセールス方法ではなく、自分たちの価値訴求をシンプルにしないと実現できないとも思います。私たちも価値が提供できないと思えば、他社のサービスなどを紹介しています。

ーーそこまで徹底するんですね

もちろん色々な製品やサービスを抱えて、お客様の課題に合わせるのも価値だと思っていますが、それは大企業がやればよいことで、私たちがやることではありません。
私たちも成長して、ある程度の規模になれば、そういったソリューション寄りのセールスチームにするかも知れません。

ーー新しい働き方をするセールスチームのとても貴重なお話、ありがとうございました!! では、最後に今セールスチームに課題になっていることを教えてもらえますか?

愛宕 いま現状、COOがセールスチームのマネージャを兼務していて、さすがに見きれなくなっています。そこで、セールスチームのマネージャを新規に採用したいと思っています。ここが一番の課題ですね。

ーー承知しました! もしかすると、この新しいセールスチームの働き方をみて、我こそはと思うかがいるかも知れませんね!! 愛宕さん、今日は貴重な時間とお話ありがとうございました!!!

愛宕 ありがとうございました!

www.codeal.work

まとめ

セールスチームの情報共有のやり方を探る取材、第3弾としてコデアルさんにお邪魔しました!

「リモートワークで働くをもっと自由に」という価値のもと、セールスではとても珍しいリモートもOKのインサイドセールスチームの活動、コミュニケーションや情報共有、育成方法などを伺えました。

どうしてもセールスはお客様との関係が続くため、自身や家族の病気に加え、育児や介護などライフイベントに対応しにくい職種だと思っていましたが、リモートワークという新しい働き方で解決できるイメージが湧きました。

もちろん、愛宕さんのインタビューにもあった通り、お客様とのビデオ通話では商談をできるだけコンパクトにするため、あれもこれも伺って提案するというより、 “この課題をお抱えならこの製品・サービスがフィットします” というシンプルさが必要になりそうです。

セールスの働き方もオフィス勤務、営業訪問などオフライン一辺倒だったものから、製品やサービスのフェーズ、自社やセールスチームの成長シナリオによって「訪問しないインサイトセールス」に変えられる選択肢を持ったと言えそうです。

コデアルさん、愛宕さん、ありがとうございました!!