なぜ、営業チームのノウハウや情報共有は難しいのか?
前回、営業チームの活動とは、
- チームで情報共有する
- チームで問題や課題を共有する
この2つであると仮説を立て、このブログで、色々な営業チームの情報共有のやり方を取材してレポートすることを決めました。
今回はその取材に行く前に、現状の営業チームの情報共有がどのようなもので、何をレポートできると、営業チームに役立ちそうなのか、考えてみます。
検索数にみる「営業チーム」の現状
世間的に、営業チームは「情報共有」に関心がない
ということで、「営業チーム 情報共有」でググってみると、まったく営業チームの情報共有に関するページがヒットしません。。
(営業特化ではなく、一般的なチームの情報共有に関するものはヒットします)
そこで、ちょっと調べ方を変えて、検索数で、世間の関心度を調べてみました。
(検索数の調べ方は、ググると1番目に表示される、キーワード検索数 チェックツール|無料SEOツール aramakijake.jp で調べました)
- 「営業チーム 情報共有」
で調べてみると、月間の推定検索数は 「データがありません」!!! 😱😱😱😱😱
10件でも月間検索数があると、その件数が表示されるので、ほとんど関心がない、ということです。。
そもそも「営業チーム」そのものに関心がない
「違う! そんなことはないはず」と思い、関連しそうなキーワードで検索数を調べてみました。
- 「営業 情報共有」=> 「データがありません」 (!)
- 「営業 ノウハウ共有」=> 「データがありません」(!!)
- 「営業チーム」=> 「63」(!!!!)
(2017/12/20時点)
63 !!!!
「営業チーム」そのものに関心がない、という結果に愕然です。。
営業は個人でやる、というのが主流 ??
営業チームに関心がないのであれば、「営業」関連ワードそのものが検索されてない可能性があると思い、調べてみました。
- 「営業 ノウハウ」 => 528
- 「営業 トーク」 => 1761
- 「営業 提案」 => 122
- 「営業 スキル」 => 793
- 「営業 向いてない」 => 1431
個々の営業スキルに関するものは、ちゃんと検索数があることは分かりました。
また、チームで共有したほうが良さそうな「営業 ノウハウ」をさらに調べてみました。
- 「営業 ノウハウ 共有」 => 12
「営業 ノウハウ」に比べて、「営業 ノウハウ 共有」は 2.2% しかありません。
これらを踏まえると、営業はチームでやるものではなく 営業は個人でやるもの という認識が強い、と言えそうです。
なお、冒頭の写真にある Google の「営業」の検索キーワードで推薦されている、「営業 向いてない」は 1431 でした。。
「営業 スキル」の検索数の2倍です。
「営業 向いてない」になる 16 のステップ
検索数の調査をまとめてみる
一旦、検索数をいろいろ調べた結果をまとめてみます。
- 営業は個人でやる、という認識が強い
- 営業個人は営業スキルを磨くことに関心がある
- 営業に向いてない、と思う人は、営業スキルを伸ばそうとする人より多い
- チームで営業する、ノウハウや情報を共有する、ということには関心がない
営業個人のスキル依存度が高い、という状態では、 「その営業が辞めると、業績が落ちる」ということに直結します。 これは、営業あるある、ですね。。というより、私も何回も体験してます。。
また、個人のスキルアップに依存し、営業チームに情報やノウハウを共有しない、という状態では、 営業チームに入れば成長できる、ということは難しそう です。
「営業 向いていない」は他職種と比べても異常
また、個人スキルに依存する、という印象があるクリエイティブな職種、例えば、エンジニアなどや、その他の職種でも調べてみました。
- 「エンジニア 向いてない」=>「データがありません」
- 「デザイナー 向いてない」=> 77
- 「事務 向いてない」=> 232
- 「販売職 向いてない」=> 33
検索数は職種の人口と比例するとはいえ、10倍20倍のスコアがついていることから、営業が突出していそうです。
なぜ、突出して「営業 向いてない」になるのか? 16のステップを推測
ここからはデータが無いので、私の推測です
- 営業の活動は、エンジニアやデザイナーなどに比べ、口頭でのアクションが多いため、コンピュータなどに記録が残りにくい ( = ふりかえりにくい)
- ふりかえりにくいので、情報やノウハウ共有するのに 2~3 アクション増える
- 2~3 アクション多いと面倒になり、タイピングより口頭で伝えたほうが早いでしょ、となり文書に残らず、口頭伝承になる (暗黙知や秘伝になる)
- 営業ノウハウは、業種・扱う商品・担当業界によってやり方が大きく変わるため、インターネットでググっても出てきにくい
- 勢い、営業ノウハウは企業秘密になることが多く、 営業チーム内にしか、情報やノウハウが無い
- チーム内の共通文書である、日報や週報などの報告書は上司向けに提出し、チームメンバー向けには書かない
- 上司への報告なので、内容もプロセス ( 「どうやったか」 ) より結果 ( 「どうなったか」 ) 中心の報告になる
- 結果報告だけでは、メンバーにとっては「どうやったか」の方が興味あるので、退屈なコンテンツになってしまう
- 結果報告なので、上司から数字を詰められることが多い
- 営業会議も結果報告中心なので、[メンバー - 上司への報告] となって、プロセスの相談 「どうやろう」は後回し になる
- その結果、チームに情報共有しづらい、チームに問題や課題を相談しづらい雰囲気になる
- その結果、例えば、チャットツールを営業チームに入れても、オープンなチャットではなく、ダイレクトメッセージ中心になりがち
- その結果、情報やノウハウは個人に貯まる
- その結果、ノウハウは上司や先輩、ベテランの秘伝の奥義になり、聞かないと出てこない
- その結果、伸び悩むと、自分で解決せざるを得ず、自責になりがち
- その結果、「営業 向いてない」と思ってしまう
営業チーム内で、「どうやったか = やり方やコツ」を共有しているかを取材しよう!
ボトルネックは上司への「結果」報告かも知れない
では、先に挙げた 16 のステップでボトルネックになっているのは、どれでしょうか?
1.2.4.5. は営業という職種上、回避しようがありません。
また、11. ~ 16. は結果なので、それまでのステップで改善できれば、結果は変わりそうです。
となると、残りの 3.6.~10. のどれかがボトルネックと言えそうです。
では、細かく見ていきましょう。
3. 2~3アクション多いので、タイピングより口頭で伝えたほうが早いでしょ、となり文書に残らず、口頭伝承になる (暗黙知や秘伝になる)
これは口頭ではなく、タイピングさせる、ということで解決できそうですが、面倒なものを根付かせるのは、とってもパワーが必要なので、悪手と言えます。
では、残る 6.~10. はどうでしょうか。
6. チーム内の共通文書である、日報や週報などの報告書は上司向けに提出し、チームメンバー向けには書かない
7. 上司への報告なので、内容もプロセス ( 「どうやったか」 ) より結果 ( 「どうなったか」 ) 中心の報告になる
8. 結果報告だけでは、メンバーにとっては「どうやったか」の方が興味あるので、退屈なコンテンツになってしまう
9. 結果報告なので、上司から数字を詰められることが多い
10. 営業会議も結果報告中心なので、[メンバー - 上司への報告] となって、プロセスの相談 「どうやろう」は後回し になる
この流れを見ると、上司向けの「結果」報告から悪循環がスタートしていることがわかりますね。
ということは、この上司に向けて、結果だけ報告することが「営業チーム 情報共有」を妨げるボトルネックになっていて、「営業 向いていない」の原因になっているのかも知れません (仮説)。
「どうなったか」だけでなく、「どうやったか」をどのように共有するか
長々と書いてきましたが、冒頭の営業チームの情報共有の取材について、
- 営業チームでプロセス「どうやったか = やり方やコツ」 をどのように共有しているのか
- そのやり方で「どうなったか = 成功、失敗」(結果) をどのように共有しているのか
この2点を取材できると、読者となる営業チームに役立つ内容になるかも知れません!!
また、 「どうやったか」をうまく共有できている営業チームを取材して、記事にすると、そのチームに入れば成長できる、というアピールになりそう です!!!
まとめ
というわけで、まとめてみます。
- 営業はチームで情報共有するということに対して関心がない
- 営業はチームでやる、というより個人でやる、という認識が主流
- 営業個人のスキルアップに依存すると、伸び悩んだときに「営業 向いてない」になりがち
- ボトルネックになっているのは上司への「結果 (どうなったか)」だけに報告することにありそう
- すごいセールスチームの取材では「プロセス (どうやったか)」を営業チーム内で、どう共有しているのか、取材したい
では、次回から、いよいよ取材レポートです!!
ぜひご期待ください !!!
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